~あなたの事務所に忍び寄る!??!~ 税務崩壊の危機

税務崩壊の危機

皆さんこんにちは。イプシロン角田です。

ますます悪化する新型コロナウィルス感染症ですが皆様の地区ではその影響はいかがでしょうか?

何しろ先行きが見えないことが一番の不安材料ですね。しかし、いつかは必ずコロナ後の世界が来るわけですからこの緊急事態をしのぐとともに次の展開の準備はきっちりと今のうちに行っておきましょう。

コロナ後の世界で真っ先に私が懸念するのが医療崩壊ならぬ【税務崩壊】の危機です。今日はこの危機の内容と予防策について記述します。

国税庁のHPなどで法人税等の期限延長の件については既に皆様ご存知かと存じます。

この場合、コロナに起因する要因で申告・納付ができない場合には事前申請にて期限の個別延長を認めるとあります。ではいつ申告再開できるかと言うと、申告・納付ができないやむを得ない理由が止んだ日から2か月以内を指定して申告・納付期限が延長されるとしています。つまり顧客側の準備が整ったら速やかに申告・納付をせよということですが、これをこの文面通りに進めて行くとどのような状況になるか想像してみて下さい。

何の問題ない時期でも多くの顧問先では自身の商売の繁忙だったり、単なる面倒くささだったりして資料回収が遅れ、作業が遅れ、申告がぎりぎりになる方も多いと思います(製販分離推進事務所様は計画生産でコントロールできている方も多いのですが)。

普段でさえこのような状況なのに準備が顧問先側で整ったらという条件で業務を進めてしまうと完全に顧問先側の都合だけで決算、申告業務を行うことになってしまいます。

~税務崩壊のリスクを考えよう~

このような状態(期限が見えない)で業務を回すことは、羅針盤のない船を嵐の海で航行させるのと一緒で、業務の偏りが一気にやってきて船舶(事務所)が転覆、崩壊する可能性も出てきます。

確かにこの緊急事態で経済を、中小企業を、資金繰りを何とか守らなければならないのは当然ですが。私たちは次にやってくる嵐に備えて、その予防策を検討し、会計事務所の現場が崩壊しない手立てを今のうちに所内で徹底させることが重要です!

予防策が遅れれば業務の見通しが立たず、ある日までは毎日暇だったのに、ある時から突然2か月先までの段取り、スケジュールが一気に決定し、準備不足のまま業務に突入!しかも期限は決まっているので残業や休日関係なく業務コントロールできず業務従事し、所長だけでなくスタッフも疲労困憊することも想像できます。最悪はスタッフの健康被害や退職なども考えられます。

~税務危機を乗り切る予防策~

そこで以下のような手順でこの危機を予め予測し、準備をし、乗り切るための工夫をされたらいかがでしょうか?

  1. 至急顧問先への状況調査を行い次の4つの区分に顧問先を分類して所内で共有する
    (a)今回のコロナ影響で業績が拡大している先顧問先
    (b)今回のコロナの影響をほとんど受けないであろう顧問先
    (c)今回のコロナの影響を受けて予定通りの決算、申告ができないであろう顧問先
    (d)今回のコロナの影響で先の見通しがつかず廃業、倒産を予定している顧問先
  2. 次に上記の(a)(b)に関しては今まで以上に計画的に業務を回せるように事前準備を行い(決算カレンダーツールなど活用して)、資料回収期限、税額確認期限、申告期限を予め設定した段取り通りに回すように、所内はもちろん、顧問先も依頼し協力をること。さらにこの顧問先群への品質の低下を絶対に招いてはいけない(納期、時間、成果物等)
  3. 上記(d)については、詳細状況を確認するとともにハッピーリタイアメントの計画を早期に顧問先と話し合って、可能な限り各方面への影響が少ないように段取り、実行する
  4. 上記(c)についてはかなり具体的な状況をヒアリングする。手元資金確認、今後の売上、入金、支払い予定、融資の状況、助成金申請等あらゆる情報を分析して、可能な限りで良いので、少しでも業務処理を事務所側で進めておくこと(恐らく先方に処理を進める余力がないため)
  5. 決算申告の段取りが取れるようになったら必ず事務所主導で、決算、申告、納付までのスケジュールを顧問先と一緒に作成、確認し計画生産(予定通り、可能な限り定量で、制限された時間内で業務完了できる生産方法)の段取りを図る
  6. 管理者は上記(5)の業務進捗管理を日々行い、段取りとおり業務を進めるコントロールに専念するとともに、万が一予定が変更された場合には速やかに段取りの再構築を行うこと

今回、一番危機的状況となるのが次の点ですのでこの予防策がポイントになります。

  1. 決算、申告の主導権を顧問先側が持ってしまう
  2. 事務所担当者の判断で段取りや物事を進めてしまう(組織の判断ではなく)
  3. 現況調査をきちんと行わずに成り行きで業務を進めてしまう
  4. 事務所側の都合だけで進めてしまう
  5. コロナが理由で経営に影響のない顧問先までも、会計事務所からのサービスの品質低下の影響を受けてしまう

特に1年の中でも3月決算申告の企業はどの事務所様も多いはずですので、税務崩壊を招かないように事務所一丸となり、計画生産の推進に努めて下さい。

また、経営者の皆様は現場のスタッフが不安、心配にならないように、まずはコロナ感染症に対する事務所全体の指針を明確にして、顧問先の経営とスタッフの生活を必ず守るという具体的なカタチ(行動計画)を示して下さい。

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イプシロン株式会社 代表取締役 角田 達也

旧東海道 府中(静岡)周辺です