電子帳簿要件 紙で保存特例の延長か!?

一体この国は本気でデジタル化を進める気があるのだろうか!?

昨日『請求書の電子データ保存義務 引き続き紙で保存も認める方向か』というニュースが駆け巡りました。

併せて消費税インボイスの一部内容要件緩和なども情報も噂されています。

今後この内容について政府内で検討を行うようです。

早速私の所にも数件の支援先の所長から今後の対応についての相談がありました。

以下私見を記載しますので参考にして下さい。

そもそも制度変更の告知不足など国からの情報発信がほとんど進んでいない中で会計事務所、顧問先双方で制度変更対応についての不安があったことは事実です。

しかしながら全世界グローバル視点で鑑みるとデジタルシフト移行については避けられない状況であることは皆が理解しているはずです。

少子による人手不足の深刻化、労基の強化、価値観の多様化などで『作業』は人間の手から切り離してITが行うようにしなければ企業経営自体が継続できないという指向性は変わらないはず。

であれば、本来ならこのような状況を打破するために会計事務所内業務も顧問先のバックオフィスを中心とした作業もデジタル化し、人間でしかできない『価値』創出に向かうべき姿勢は崩すべきではないと思います。

『やれやれこれで面倒な対応しなくて済む』『何も変えなくて良かった』と考えている方はよくよく考えて下さい。

今回の報道の結果はまだわかりませんが少なくとも消費税インボイスや電子帳簿が廃案になることはないでしょう。

対応が少し先に延びる程度で考えるのが妥当だと思います。

従って各ベンダーの正式情報もないままに現実的対応しなければならないという状況だけは避けられ、対応に時間ができたので1件1件の顧問先への説明、対応、指導に余裕ができたのだと考えてデジタルシフトの社会に対応できるインフラ構築を予定通り進めるべきだと思います。

そこで、来年のうちに会計事務所として取り組むべきは以下の通りです。

  1. デジタルシフトの社会で経営を継続するために必要な要件を会計事務所がリーダシップを取ってきちんとお客様に指導すること
  2. 人手不足への対応をするために顧問先企業の社内に存在する『作業』について、IT力で改善できるように提案すること。できれば労働集約から完全に撤退できるよう、分析、改善提案、指導の強化
  3. 対応期限が延長できた場合に、事務所内ではデジタルを前提とした標準業務工程、手順、価格の見直しを行っておくこと
  4. 現在所内で利用のシステム全般の見直しと移行を今のうちに進めておくこと
  5. これを機会に事務所の経営計画において中期ビジョンを明確にして所内で人時生産性を向上させ皆が幸せになる指向性を共有すること

このような報道や対応において『正常性バイアス』を働かせ、今後も何とかなるさ~、自分や顧問先はデジタルシフトしなくとも生き残れるなどと考えずに是非とも3年後、5年後、10年後を見据えた対応を考えて下さい。

少なくとも確定申告や3月決算申告といった超繁忙期に対応しなくともよくなったと考えて、予定したデジタルシフトは着々と行って労働集約でなく資本集約型事務所(DX型事務所)となって人時生産性を向上できる方針を明確に確実に実行しましょう!